
靜
@imadokokokodayo
2026年8月25日
帰れない山
パオロ・コニェッティ,
関口英子
読み終わった
映画を鑑賞してすぐ原作小説を購入し、読みかけのまま1年半放置していたのを最近一気に読み終えた。映画で観た時に気になった台詞があり、その台詞が発せられるに至る描写はどんなものだろうかと気になって読み終えてみたら台詞が存在しなくて驚愕。映画で加えられたものだった。
自分の内側から出る手段を持たない人間が吐く弱音。空気を震わせることなく落下する弱音。取り返しがつかないのに悲しさだけで支配されることがないのは、山を舞台にしているからか。常に寂寥感がこびりついて離れないのに焦がれて仕方ない、山を舞台にした物語がとても好きだ。好きな山の物語だった。また映画を観る。
著者の幼少期を反映し、男性同士の友情の理想を描いたと書いてあった。手を差し出すことも差し伸べることも不器用で、その不器用さの中で足踏みし合った末路という感じで何かを思うことが難しい。理想かどうかは知らないが、こうなるしかない男たちのことは嫌いではない。
モンテ・ローザ山麓で生きる人間の姿を想像し、山の様子を想像し、出来ることならそこを歩きたいと思った。 

