
雛森
@hinamori
2026年9月8日
戻り川心中
連城三紀彦
買った
読み終わった
小説
推理小説
貸し出し中
5/5 『戻り川心中』読了。
何回かあるうちの最後の謎解きを読んだ後「そりゃ未完にするしかないよね」と思った。
苑田については「気持ちはわからないでもない。が、自分個人の問題に人の命を巻き込むんじゃないよ」と腹がたった。
ラストシーンが、本当に綺麗。夜の暗い川。花はあまり派手とは言えない菖蒲。なのに花が川を流れていくシーンが俯瞰で目に映って、幻想的だった。
推理小説は、正確に状況を伝えることに重きが置かれるからか、地の文は良くも悪くも説明的であることが多い。
けどこの短編集は、地の文の描写が美しい。
特に『桔梗の宿』や『桐の棺』は、じめじめとした冷たい空気が体にまとわりついてくるような感じがした。
トリックは『白蓮の寺』が好きだが、一番好きな話は『戻り川心中』。うねるような真実の転換とラストの静謐さが素晴らしい。
謎は人の心の中にあると思わされた一冊。
