
翠
@mdr_33
2026年9月8日

海
小川洋子
読み終わった
読了。
「毒があるかもしれませんからね。十分にご注意なさいまし」
まさにこの言葉通りの小説だと思う。
春の海のような冷たさが、小説の底を這っていた。心地よかった。
「海」
キリン柄のパジャマがすごく印象に残っている。キリン柄。めちゃくちゃいい。抜けだ、と思う。力が抜ける、親しみが湧く。あそこで物語との距離がぐんと縮まった。
「バタフライ和文タイプ事務所」
官能的で驚いた。でも1番好きかも。静かで、突き抜けていて。
タイプを打つ時の動きを蝶に例えるのとか、漢字に命があるかのような言い方とか、すごく好きだった。
少しだけ川端康成を感じました。
「風薫る」
まさかのまさかの……。面白かった。呆気に取られた。
「ひよこトラック」
小学校か中学校の国語の教科書にのっていた。多分テストにも出てた。
1回目、トラックが通り過ぎるところで、これ読んだことあるな、?と、思い出した。びっくりした。
ドアマンの視点で話が進むけれども、私の記憶に残っていたのは、染められた沢山のひよこと、少女が喋ったことだった。
当時は、ドアマンの仕事がどういうものか、とか、下宿とはなにか、とか、そもそも大人の男の人はどういう生き物なのか、とか。何もかも、わかっていなかったのだと思う。
どういう意図で、ひよこトラックを教科書に?
表紙が可愛くて、カバーを外すこともせず、ブックカバーをつけることもせず、読んでいた。
カバンから取り出すたびに、その触り心地とデザインに嬉しくなった。
これが2冊目の小川洋子。1冊目は博士。
小川洋子を読もう!と思って読んだのは初めて。
『川端康成の話をしようじゃないか』読みたいし、もっと小川洋子を知りたい。もっと読もう。
