くらな "三の隣は五号室" 2026年9月8日

くらな
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@3bus_0830
2026年9月8日
三の隣は五号室
四元志郎はそのことを、どうしてか家族の誰にも言わなかった。後日、引っ越しを手伝いにきた妻に、ツナの空き缶なんかをなぜ取っておくのかと問われたが、謂れを語りはしなかった。 言葉にすると、ただのいい話になってしまうじゃないか。単身赴任に含まれる「単身」という語を志郎は思い描いた。望んだ暮らしではなかったが、この九ヶ月、まさに単身で、俺だけで俺を生きた。その証拠のようにハナコが俺だけにしてくれた、俺だけの話だ。
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