
もじすきー
@kiocom
2026年9月9日
ボーイズ
レイチェル・ギーザ,
冨田直子
読み終わった
カナダ・トロント在住のジャーナリストである著者が、妻と養子に迎えた息子と暮らすなかで、男の子が「男らしく」育っていく過程を不安に感じ、どうすればよりよい人間として育てていけるかを探っていく内容。
・「マン・ボックス」の概念…「男であること」が一般的にどのように意識され理解されているか、その認識がどのような結果につながっているか。男の子はこうあるべきという枠組みが男性の行動をしばっているために、男の子たちは自らのなかにある弱さを認めたり、互いに弱さを見せあって慰めるというような関係を失っていく。
・男の子は、自分自身の弱さを否定するために、ホモフォビアや女子を支配するようなポーズをとることで仲間意識を強めることがある。
・学校教育で女の子がいい成績をとる確率が高いのは、学校が女子に有利だという男女差別でなはく、エスニシティの違いや社会格差が強く影響して、男子の間の格差が大きいこと。
・男の子のなかにある弱さを排除し、女の子を支配してよいという考えをあふれさせるような邪悪なマスキュリニティでつながる場面が、友人関係、学校、スポーツ、ポピュラーカルチャーのなかに表れていて、男同士の団結を強めることがある。
・カナダのアルバータ州カルガリーで行われている性教育プログラム「ワイズガイズ」の紹介。参加者は、ジェンダー規定について批判的に考え、健やかな友人関係や恋愛感情を築き、コミュニケーションやリーダーシップの力を伸ばすことができる。
フェミニズムって女性の権利だけを問題にしているのではなく、人が人として生きていくには苦しい既存のシステムを壊していこうとする実践なのだということがよくわかる本だ。男の子が強さの鎧だけを身にまとって困り果てることがないように、親たちに読んでほしい1冊だ。

