
mikiko1732
@mikiko1732
2026年8月15日
消滅世界
村田沙耶香
読み終わった
これはどういう物語なのかを自分の中で消化できずにいる。
いくつかの章に分けて共通して語られるのは「性行為」であり、徹底してその「性行為」を取り除こうとする社会を描いているようにも見えるが、どうにも違うように感じる。「性行為」を通じて生まれる「縁」を描いているのかと思えば、自分の中で納得もいく。夫婦の縁、家族の縁、それらは基本的に性行為を通じて生まれるものだから。それらを徹底して取り除こうとしている社会を描いた、というなら、狂気じみた母親の描写はそれに対するアンチメタファーであり、最終章の舞台が夫婦という形すら許されず、家族という形を解体した実験都市が舞台になり、夫(正確には元夫)が男性初の出産に成功するのもわかる。そこでは「縁」は徹底的に解かれ、世界は消滅に向かっていくように見える。
しかし、あの結末。
主人公は結局、母親のかけた呪いから逃れられず、「性行為」を通じて新たな「縁」を結ぼうとしたのか。それにしては、あの結末はグロテスクすぎて、わたしには受け入れられない。あの結末は蛇足じゃないかと個人的には思うけれど、それによってずるずると物語がまとわりついて、ついつい物語について考えてしまうのだから何とも言えない。
