
たにこ
@chico75_11427
2026年9月9日
禁忌の子
山口未桜
読み終わった
胚移植の理想と現実を目の当たりにされた作品でもあるミステリー。途中までは予想できそうだなと思っていたが、終着点がそこになるとは!という驚きと、結末の虚しさが一気に押し寄せてきた。
タイトル回収はラストにされるのがまだ…
吉野弘作、「I was born」。
英語を覚えたての少年が、道をゆく妊婦を見て思いを馳せる。
≪人間は生まれさせられるんだ。自分の意志ではないんだね≫
少年の言葉を聞いた父は、彼に語るのだ。羽化して、すぐ死んでしまうカゲロウのことを。その腹の中に卵がぎっしりと充満していることを。
≪せつなげだね≫
あぁ、この詩のフレーズだったのか。カゲロウを見て思い出したのは。
そうだった。詩に出てくる少年の母は、彼を産み落としてすぐ亡くなったのだーー。(P304〜305)
作中の途中に出てくるカゲロウとリンクさせて出てくる詩。生まれさせられる、という言葉が胸に刺さる。
