
ささ
@inni
1900年1月1日
ミトンとふびん
吉本ばなな
読み終わった
短編集。
タイトルでもある「ミトンとふびん」がいちばん印象的だった。
イタリアに住む親友を失った主人公が、親友の恋人や友人と会って、喪失と癒しを感じる旅の話。
私は親友を亡くしたことはないが、行き違いで失くしたことはあって、その親友のことが、読んでいる時は生活の中でたびたび思い出した。
もう戻らないと思ってるし、別れた恋人みたいな感慨はない。代わりに、身体の一部をどこかに忘れてきたような感覚に、ふとなるときがある。
もう二度と、あなたと仲良くしていた私とも、私と仲良くしていたあなたとも会えない。
大事な人ともいつかは、どんな形でも別れる時が来る。別つものが、死なのか、時間なのか、距離なのか、気持ちなのかはわからない。でもその時は必ずやってくる。
けれど、私たちはそれを覚えておくことができない。忘れて、明日も当たり前の日々として過ごす。それが不幸だとも思わない。当たり前にあると信じられる日々を生きている。
そしてまた誰かと出会うのだ。

