DN/HP "砂の粒/孤独な場所で 金井美..." 2026年9月10日

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2026年9月10日
砂の粒/孤独な場所で 金井美恵子自選短篇集 (講談社文芸文庫)
帰りに図書館で金井美恵子の短編をひとつ。今日は「声」という一編。 小説出版のために有名作家を紹介しろと不躾に迫る男性作家、電話でしつこく自作について話し続ける少女、その声。 文章を書くこと、それが読まれること。「わたし」が「あなた」に意図せずに、しかしどうしようもなく与えることになる影響。それでも書いてしまう、というか生きているだけで避けることの出来ない他人との影響の授受について。ということはこの世界、そのままならなさ(あるいは見方を変えれば素晴らしさ)について。そんなことが書かれている気がした。けれど、それもまた違うというか、また別の読み方もできる気がしているから、これもあと何回か読みたい。ということは、やはりこの文庫は手に入れるべきだろうか。 「それは「私の心から」「私の観念の世界から来た」のであり、「私の影であり、私の谺であるのは確かなこと」なのだろうか。本当だろうか。本当に、私の中に荒野などあるのだろうか。わたしには書くべきドラマティックな過去などない、と、わたしは書いたが、そしてそれは確かなことではあるが、にもかかわらず、書いてしまった作品が、見知らぬ人間の現在を選びとらせる。」
砂の粒/孤独な場所で 金井美恵子自選短篇集 (講談社文芸文庫)
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