
イツキ
@maruitsuki
2026年9月10日
傲慢と善良
辻村深月
読み終わった
「傲慢」と「善良」という言葉の意味が、読書前と読書後で大きく変わった。
自分の価値観を持つことそのものが悪いわけではない。しかし、その価値観だけを物差しにして相手を測れば、相手を理解することを無意識のうちに諦めてしまう。
一方で、他人を尊重しようとして周囲に合わせすぎれば、自分自身の意思を失ってしまう。その「善良さ」もまた危うい。
だから必要なのは、傲慢さや善良さを完全になくすことではなく、自分の中にその両方があることに気づくことなのだと思う。
相手を自分の物差しだけで決めつけていないか。
周囲に迎合することで、自分で選ぶことを避けていないか。
『傲慢と善良』は、架と真実の物語を読み終えたあと、その問いをそのまま読者自身へ返してくる作品だった。




