
ユメ
@yumeticmode
2025年1月7日

まほろ駅前狂騒曲
三浦しをん
読み終わった
感想
@ 自宅
再読。長く己の記憶に苦しめられてきた行天が、曽根田のばあちゃんに「俺はあんたのこと、なるべく覚えてるようにする」と伝えるくだりが好きだ。物語の終盤においてその台詞は、今度は「俺はきっとギョーテンさんのことを覚えてます」という裕弥の言葉と奇跡のように重なり合う。ひとは誰かと繋がり、記憶を託してゆくことによって、いずれ待ち受ける死を乗り越えてゆくことができる。古来から受け継がれてきたその営みは、なんと美しいのだろう。