もぐもぐ羊 "在日サッカー、国境を越える" 2026年9月11日

在日サッカー、国境を越える
すごくおもしろくて一気に読んでしまった。 「在日」という不安定な立場の人たちについて、サッカー選手として活躍することすらままならないという、本来なら身体一つでとこでも勝負できそうな職業が、その「身体」には国籍やその国の政治的な立場がついてくることが足枷になるなんて思いもよらなかった。 それにしてもConIFAというFIFAに加盟できないあるいはしない国や地域の民族のためのサッカー協会はなんというかすごくよかった。 今年のW杯(ほぼ見てないけど)でFIFAの銭ゲバな体質にうわぁ…と思ったのもあるけど。 故郷をおわれたディアスポラのための大会に近く、民族のアイデンティティで繋がることがこんなに清々しいと感じることがあるとは思わなかったので驚いた。 スポーツの国際大会のたびにザラっとした気持ちになるタイプの私なのに! 故郷を離れて別の土地で創作をしている作家たちに思い至り、アルジェリアのカビリアという山岳地帯代表はベルベル人で、あ!地中海文学の中のベルベル文学!最近知ったあれだ!と気づいたり、トルコ在住の西アルメニア人はオスマン帝国のジェノサイドの犠牲になった人たちの末裔でトルコ国内で差別的な扱いを受けているとか。 ベルベル人もアルジェリア国内で苛烈な差別を受けていて2018年はアルジェリア国内にいる選手が出国できず国外在住の選手が招集されたとか。 国際問題の見本位置みたいだなと思った(うまい表現が浮かばずこれが適切かわからないけど) スポーツに政治を持ち込むな!とよく言うけど、この大会自体が政治のせいでわりをくった人たちがサッカーというスポーツで団結して大会を行うことで世界にメッセージを発信していることがなんというかとてもかっこいいと思った。 武力行使とかでなくサッカーならこの上なく平和だよね。 私はサッカーに興味がないし、特に大きな大会(W杯など)は毎度ウンザリしちゃうんだけど、サッカーのことをちょっと見なおしました。 木村元彦さんはサッカーを入口にいろんなことを教えてくれるけどサッカーがわからなくても理解できる文章で助かる。 旧ユーゴにまつわる本を探していた時も木村さんの本はとてもわかりやすかったしおもしろかった。 この本でメインので取り上げられていたアン・ヨンハさん自身が努力の人であり、周りの人たちの支援や強力あってこその今なのだけど、もし日本の植民地支配や戦後の国籍剥奪、朝鮮戦争勃発による南北分断がなければこんな苦労はなかったのかもしれないと思うと申し訳ない気持ちになる。 UKJ(United Koreans in Japan)のアンセムがアリランというのがすごくいいなと思った。 岩波文庫の『アリランの歌』を積んでるから読まなくちゃ。
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