藤松 "アルジャーノンに花束を新版" 2025年4月6日

藤松
藤松
@seu_ng16
2025年4月6日
アルジャーノンに花束を新版
アルジャーノンに花束を新版
ダニエル・キイス,
小尾芙佐
ただひたすらに辛くて読むのを途中でやめたかったけど、読み始めたからには最後まで読む責任が自分にはあると思って読み終えた。 序盤、チャーリイはカードにはインクのシミしか見えないと言った。私たちが普段見ている絵もただインクが散らしてあるだけで作者は現実世界にある何かを描いているつもりはないのかもしれない。 チャーリイにとってテストとは合格しないといけないもの、必ず点数がつけられるもの。結果に良し悪しのないテストや、点数のつかないテストもあるということを知らない。 この作品の序盤、ひらがなだったり誤字脱字が多くて正直読みにくいなって思ってた。読みやすい文章になったとき嬉しかったけど、チャーリイの書く文章の変化とともにチャーリイ自身も大きく変わっていって、最終的にまたああいう文章に戻ったときどこか懐かしい嬉しい気持ちがあった。利口になったチャーリイは確かに周囲から一目置かれる存在になったし、過去の自分を嫌いだったのかもしれないけど、そんなチャーリイの嫌ってる以前のチャーリイを愛していた人たちがいたんだなと。 この作品を読んで私が思ったこと感じたことを全て言語化することは難しいし実際不可能だと思う。 チャーリイの家族はもう修復できないし、博士たちとの関係ももう回復できないんだろう。なにせチャーリイ本人にその気がないのだから。結局人はないものねだりで、境遇の違う人同士がわかり合うことはできないんだろうなと思った。チャーリイと互いに理解しあえるのはアルジャーノンだけなのかもしれないな...そもそも理解し合う必要があるのかもわからないけど 小説を読んで泣いたのは初めて。 当たり前のことについてもう一度考え直すべきやと思ったし、この作品を読んだことによってさらに人に優しくできるようになるんじゃないかと思った。ダメージが大きすぎたから今日はもう何も読まずに寝ようと思う。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved