ペンアブ "オーダーメイド殺人クラブ" 2026年8月23日

ペンアブ
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@ddd_kool966
2026年8月23日
オーダーメイド殺人クラブ
終わった…………。 なるほど、良い話だ。 全編を通して旨味を詰められた文章を見せられては、名作と言わざるを得ない。今まで触れてきた辻村深月作品の中では一番好きだと断言できる。 ただ、このラストを無条件に肯定できるほど私はまっとうな読者ではない。承服しかねる。 だってこれさあ! バッドエンドじゃん!!!! この作品を読んでる方からは「何を言ってるんだ?」と思われるかもしれないけど、しかし理解してくれると信じたい。 以下、ネタバレ。 主人公である小林アンの本懐は遂げられず、友人であるショーグンJr.──徳川勝利も自身の抱えている問題を解消するには至らなかった。 世界は変えられず、人生は終わらない。 少年Aは誕生しない。そもそも少年Aとして待望されていた徳川は、残虐に染まる才能のなかった普通の高校生だ。 言葉を選ばずに言ってしまえば、ガッカリした。 アンが猫殺しにブチ切れるくだりよりも一層に落胆した。まあどちらも気持ちは分からなくもないが。 そう思いつつも、一方でほっとしている自分も確かに存在する。心のどこかでこんな展開を待ち望んでいたふしもあった。 とはいえ、彼女等からしてみれば物語の顛末はまごうことなき失敗だ。 実際にそうした意思も本文から汲み取れる。 暗い話を、鬱屈とした感情を、逃げ場のない怨嗟を、孤独に企てられる蛮勇を見せられ続けて、そうした物語に感情を動かされていた身としては、あの結末は拍子抜けである。毒気が抜かれた。こちらはその毒気を楽しんでいたのに。 だけど、エピローグで徳川が妹と一緒に歩いている姿を知って、私はどうしようもなく思ってしまった。 ああ、良かったなと。 不覚にも思ってしまった。無意識的に、特に何の疑念もなく「良かった」と思った。 まあ、なので要するに、面白かったなあ悔しいなあという感想でした。 結局は私自身も、猫殺しに激怒したアンと大差ないのかもしれない。そして、そうであってほしいと願ってしまう。
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