
雛森
@hinamori
2026年9月11日
推し、燃ゆ
宇佐見りん
買った
読み終わった
小説
精神的にも肉体的にも自分のできる限りのことをやっているつもりなのに、周りからは怠惰ととられるあかり。
彼女は、推しの中に自分に通じるうまくいかなさに対する憤りのようなものを感じるけど、自分と推しを同一視することなく、落ち着いた文章を書くことができる。
特性持ちなのかもしれないけれど、シャツや綿棒などという卑近なものに生きていくことの本質を見出せるあかりは、十分聡明だと思う。
母と妹の間に入って気を遣い続けているひかりは、彼女から見れば何もしなくても許されている(ように見える)あかりが、ときどき許せなくなる。
頑張っているからすり減っていく自分と、怠惰かつ傍若無人にふるまっている(ように見える)妹が、自分と同じように「頑張っている」と評されたら、自分を否定された気持ちになるのは仕方がないだろう。
毒を含む親に育てられた母は、自分と違って「普通のこと」ができないあかりを受け入れられない。拒絶に近い扱いをしてしまって後悔し、間に入ってくれるひかりには感謝を伝えるも、やっぱりあかりのことは理解できず、態度を改められずにいる。
あかり、ひかりとその母の三人の女性は、割合は違えど三人とも私の中にいるような気がする。
面白かった。

