
ぱん
@aaa_aaa_aaa
2026年9月9日
スター
朝井リョウ
読み終わった
面白かったです。
映画監督を夢に見た2人が大学で出会い、表彰されるほどの映画を作り、大学を卒業し、それぞれの進路に進みます。
進路が違ったように、作品の表現手法や、思想は異なるけれど、2人とも良いものを作りたいという気持ちは同じです。
ただ、作り手と受け手は違う判断基準を持ちます。
映像作品の消費の仕方はここ数十年で大きく変化しています。そんな時代だからこそ、映像を専門に扱う者でなくても、大変興味深く読むことのできるお話ではないでしょうか。
かつてデザインを学んでいたのですが、その時に感じた葛藤を重ねてしまいました。間違った読み方かもしれないのですが、的確な言葉で表現してくださり、勝手ながら感謝の気持ちを抱きました。
作品の質を追求できる人間は限られている。
全くもってその通りだと思います。
鐘ヶ江監督のお話が非常に印象的でした。
お金が絡むと、人との関わりに血が通わなくなるように感じます。
時の流れとともに、彼がこだわりを待って作れるものは減っていきます。それは、彼の考えに真に共感できる人間が減っていっていることを意味します。
事業を成り立たせるためにお金を払ってくれる受け手がいなくなると、従業員を養えません。充分な賃金と制作費がない中、彼についていける人はどれだけいるのでしょうか。
質のいいものが作れるのであれば、予算も時間もいくらでも用意ができる、のは理想であり、実際は、決められた予算、時間内に最大限のパフォーマンスを出すことが求められる世界になってきています。
これはお話ですが、現実にも起こっていることだと思います。時代の変化に合わせるということが、作り手によってはいかに難しいことか、とても丁寧に描写されている一冊です。
主人公2人はもちろん、その周りのキャラクターたちも、大好きです。
