
704h
@704h
2026年9月12日
鶏まみれ
繁延あづさ
読み終わった
読み終えた。
率直な感想としては、「とにかく面白いから、こんな馬の骨の感想を読んでないで、騙されたと思って読んでみてください」しかないのだけど。とりあえず言葉にしておきたいので書いてみる。
凄い濃厚な読書体験だった。余すところなく鶏。鶏肉はとても身近な食材だけど、本当に何も知らなかった。著者の繁延さんについて行くだけで、食に関してだけではなく、日本の経済から歴史、労働と対価、子供と後期高齢者まで色々なことが鶏にくっついてやってくる。
社会は勢いでここまで来たけど、行く先を見失っている今、あっちこっちと移動しながら都度立ち止まって考えてくれる繁延さんは有難い存在だ。
著者が様々な現場で感じる「なぜ」が生きる事の全てに繋がっていて、それぞれに良い面と悪い面が複雑に重なって、今の社会があることが見えてくる。
食肉処理場での光景は、知らない人が見れば壮絶であり衝撃的であるが、その職場を改善すれば済むというような問題では全くない(改善はすべきだが)。それより皆んなが普段食べている鶏肉が、何処からどのようにやってくるかを知らない我々の方が「ズレて」いるように感じた。
しかも、それは命の教育とか、食べ物に感謝できるようになるとかそんな話でもない。こんなに大切なことを知らずに生活してるのは勿体ないと感じている。そもそもがズレていたのか。
恐怖を伴いながらも(家計の為とはいえ)それに立ち向かう著者の勇気に敬服する。なかなかここまでやれる人はいない。やり遂げることの凄さ。
著者が感じたこの大きなクエスチョン・マークをより多くの人が読んでくれたらと思った。話はそれからだ。

