
北
@kita_9
2026年9月12日
ゾンビ回収婦
小砂川チト
読み終わった
これを実験的だの先鋭的だの評する声を見かけるが、まったくそうは思えない。書き表したいものを表す道具が現代的になっただけで、それすら少し遅れている気もする。VRゲームとゾンビを箱庭的に使っていて、その設定がすんなり通るならゲームの裏でゾンビを綺麗にしてる人がいたらどんな人なのかとは考えられるだろうし、その人がプレイヤーのところに現れないことを掘り下げればこうなるだろうなという感じ。
舞台設定に慣れている人からすればそこまでの新規性はなく、物語の書き方も新しいものとは思えない。
アラスカに与えた初語「イヌクティトゥット」のところはかなり感動した。
ゲームやAIを使った対話と精神の回復をテーマとしているには畳み方が乱雑すぎるし、どうしてもその荒さとなにか「荒くしてやろう」「こんなもんだろう」という意識を感じ取ってしまった。
最後の場面について。
場面が精神病棟であることは明白。
NPCと患者を言っていることからかなり現実とゲームの境界が曖昧になっている。そのあと銃声が聞こえたことすら疑わしい。
救いにきたあなた。あなたとは誰か。すまなそうな笑顔、夫かミーシカなのか?どちらでも救いはない。
虚構と現実の接続なのかとも思うが、夢のない話をすれば発狂したようにしか見えない。
この作品を通して書きたかったものは、著者自身の憎しみか何かなのか、問題提起なのか。だとしたらかなり穿たれた厭世的な世界観ではあるし、正直に言って何が書きたいのかわからなかった。


