もぐ "獣の奏者 4完結編" 2026年9月12日

もぐ
もぐ
@veranda_de
2026年9月12日
獣の奏者 4完結編
これまで伏せられていた謎が一気に明かされ、逆に幾つも疑問が残った。 そもそも闘蛇と王獣の戦いのことはなんで伏せられたのだろう?とか今回は闘蛇が人の手を入れることで毒性を強めたとのことだったけど、音で獣を操っていた過去の戦いでも大きな被害が出たのは何でだろう?とか。私が読み漏らしてるだけかもしれないけど。いや、前者に関してはそれすら悪用しようとする人間が現れないようにするためか……。人間って滅んだ方がいいです(敗北主義) 最終的にリランもエリンも死んでしまったのはかなりショックなのだが、リランの王獣としての「あるべき」を奪ったこと、リランが「あるべき」を奪われたまま(歪んだまま)で自然に生きていることを悔いていたエリンにとっては「あるべき」最後だった。同時に、果たしてあの瞬間音無し笛を吹かれ地に墜ちるしかなかったリランはどういう気持ちだったんだろうとも思う。文脈的には彼女はエリンの気持ちを汲んでいたのだろうが、劇中で何度も繰り返された「真に理解することはできない」の思想に基づくと、エリンを恨みながら死んだ可能性だって残る。まぁでも、そういうのを含めて、エリンの業にケリが付いたのが本作か。 あとがきに「闘蛇編」「王獣編」で完結の予定だったと書かれており、少し納得。個人的には前半二作までが気持ちの良い区切りだった。 ただ、最後まで一貫して「自分ではない存在とは決して分かり合えないが、知ろうとすること、分かろうとすることが重要だ」という想いが示されていて、とてもぬくもりのある誠実な物語だった。 --- 同種と番い、子を産み命を繋いでいくことこそが「自然な姿」と定義されており、(生き物の在り方としてそれは本当にそうなのだが)完全に「自然」から道を外れている自覚のある自分に、鋭い何かが刺さり続けていた。まっさらな子どもの頃に一度読んでおくべき作品だったと思う。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved