みひろ
@316
2026年9月13日
海をあげる
上間陽子
読み終わった
知事選の結果が出る前に読み終わりたいと思っていたので、なんとか間に合った。
エッセイというジャンルをあまり読んでこなかったのだけれど、これは人生ベストエッセイかもしれない。
本書の大半は筆者の家族や周囲の人との日常の話であり、食いしん坊の娘さんや、強キャラな祖母のエピソードがとても良いので、身構えずに多くの人に読んでほしい。
私は少し前まで、「普天間は市街地で危険だから、辺野古に基地を移設するんでしょ。それなら早く移設したほうがいいのに、反対派は頑なだな」くらいに考えていて、
実際には辺野古に新基地を作っても、普天間が返還される可能性は低いということも知らなかった。
偏見でしかなくて本当に申し訳ないが、基地反対活動をしている人はいつも声を荒げて怒っている印象(そりゃその活動をしている姿しか見たことがないのだから当たり前)があり、少し退き気味に見てしまっていたところがある。
筆者もキリッとした人物なのだろうと勝手に想像していたのだけれど、本屋大賞受賞時の映像を見て、大変穏やかなスピーチをされる方で驚いた。
本来みんな穏やかな人たちなのだ。それがあんなになるまで抗議してるのだと気づかされた。
自分を含め内地の人間は、沖縄に負担を押し付けてしまっている申し訳なさを抱きつつも、当事者感がなく、どこか遠い国の出来事のように受け止めているのが現実。
それに対する沖縄の人達の静かな怒りと諦めの沈黙。
筆者は読者の私たちに、「自分の絶望を託した」という。私に何ができるのかはまだわからない。
でも海をもらってしまった私は、これから考え続けなければいけない。
沖縄知事選について色々思うところはあるが、結果がどうであれ、沖縄の人が決めたことに私達が口を出すことではない、とは自らを戒めておきたい。
