
いちのべ
@ichinobe3
2026年9月13日
黒牢城
米澤穂信
読み終わった
読了!戦略や駆け引きなど歴史小説らしいエンタメの中に、ミステリとしての面白さがミチミチに詰め込まれているような小説だった……満足感がすごい……それぞれの章、四つの謎がひとつの糸でつながるフーダニット&ホワイダニットの驚きよ。家中の信頼を失っていく描写の恐ろしさがひしひしと感じられて、村重と一緒に謀叛人は誰なんだ!?とぐるぐる考えながら読み進めていたので、四章の終盤と終章は呆然としたままページをめくった。
どの謎もその解も、「この時代/状況ならでは」の必然性と魅力があって、それは官兵衛の企みも然り。なぜ憎いはずの相手に知略を授けるような真似をするのか?その頭脳ゆえに、そうせずにはいられないのか?という謎もきちんと解かれ、祝福を授けるような終幕。
> 「儂は、〈寅申〉が惜しい。千万の兵に死ねと命じてきた儂が、おのれのものは茶壺一つが惜しゅうてならぬ。千代保、おぬしは儂を笑うか」(p254)
この台詞がすごく印象的でメモしてあって、読了後に村重のその後を調べて納得感を得たのもよかった。
