
yucca
@yucca05
2026年9月13日
アルジャーノンに花束を〔新装版〕
ダニエル・キイス,
小尾芙佐
読み終わった
もしおまえの頭が良くなったら話す友だちがたすさんできるからおまえわもうずーとひとりぼっちじゃなくなるんだよ。
これが原点…せつない。
最初キニアン先生の性別すら分からなかったけど、手術後のチャーリィの目を通した彼女が美しく見えた描写から、初めて女性だったんだってわかった(まあアリスって名前から分かるんだけどね)初めはみんなのっぺらぼうの様だったのが、人の造形とか表情とか言葉の意味が分かって、解像度が上がっていく描写がすごかった。その分、ただ楽しく笑い合ってたわけじゃなかったことも分かるんだけど…。すごい勢いで彼にある深層心理の原体験が浮かび上がってくる。精神分析だなあ。。
まあつらかった。つらかったけど、母親と妹とは対話できたこと、少なくともストラウスとアリスは彼を助けようとしていたこと(ふたりが彼についてなにを話していたかが気になる)またパン屋に戻ったときに元の面々が彼を受け入れて庇おうとして友情を感じられたこと、、繋がりはたしかにあった。人間的な成長も遂げられた。それゆえに、もう彼らからの施しは受けられないと思ってしまったんだけど…。
悲しかったけど、完全なる絶望ではなかったかなという気もした。自分を受け入れるだろうと分かっている場所があること、そこへ行くことを受け入れた自分になっていること。降下していく過程、得た知識が急速に失われていくことの辛さは計り知れない。その過程がきっといちばんつらい。認知症が進む感じに近いと思う…が、凝縮されすぎているな……。行き着くところは孤独なんだな。
とても密度が濃かった。つらかったが面白かったし読めて良かった。

