DN/HP "アンデル9" 2026年9月13日

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2026年9月13日
アンデル9
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中央公論新社
「それで、むしろ俺にとっての新しい世界は、時間のなかにあるんじゃないかと考えるに至った。時間というのは、絶えず流れて過ぎ去っていき、戻ることのないものだけれども、一方で時間というのは時のあいだと書くように、ある時からある時までのひと連なりの幅として、切り出すように捉えられるものでもある。東京から浜松まで距離にしておよそ二五〇キロ。新幹線で移動すれば二時間弱くらい。この物理的な距離を伸ばしたり縮めたりすることは俺にはできないが、移動にかかる時間を延ばすことならできる。」 ——滝口悠生「伊勢へ」 この感じわかる、というとちょっと違うんだけど、わたしが徒歩移動を好んでするのにもこういった意味もあるような気がしないでもない。移動にかかる時間を伸ばすことは(わたしにとっては)思索の時間が伸びるということでもあって、それで新しい世界に辿り着けるかどうかはわからないけれど、新しい自分になる、少なくともそのきっかけぐらいは掴めることがないこともない。まあ元々はダイエットのためによく歩くようになったんだけど、と考えてみると、それもまた新しい自分に変化するための行為だったりもして。などと日中に歩きながら読んでいた滝口悠生さんの短編を食後にひっくり返りながら読み返して考えている。
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