
和月
@wanotsuki
2026年9月13日
考察する若者たち
三宅香帆
読み終わった
三宅香帆さんの著書は『人生を狂わす名著50』以来の2冊目。なぜ働はまだ積んでいるのでそのうち読みたい……。
本作は現代の流行や風潮から若者の「報われたい」思考を読み解いていく。SNSの変容やドラマ・漫画等のエンタメにおける考察文化の深層を紐解いていくことで、現代人が何を求め、欲しているかを丁寧に解説している。
若者達の多くが、社会構造上報われない(=大成する・理想とする形に成る)のは分かっているけど、せめて少しでも報われたい(=失敗しない・他から浮かない)、という感覚が強いのかなと感じた。その気持ちは私自身も日々痛感している。
また、自分らしさが生きづらさに繋がるというのが、特に心に響いた。
他者との輪を乱さないための仮面を外した時、その中に在る「オリジナル」を否定されるのが怖い。自分の言葉、思いを話し合うことの大切さは分かるけど、理想とは違い、それが確実に受け入れられるとは限らない。それならば、作った自分を認められる方が楽で安心できる。
常にこの感覚を抱いているので、細やかに言語化されている文章にとても共感を抱いた。
本作は決して、現代の感覚や世相を批判している訳では無い。ただ同時に、自分自身の感情の価値にもっと目を向けることの大切さを語る。
タイパコスパを重視するのも悪くないが、時間がかかっても、1人ずつが持つ感性・考えを尊重して最適化に抗う。それがAIではない人間が持つ大きな魅力なのだと思う。
私も、私なりの言葉で本を読んで感じたことをこれからも書き記していきたい。そう思わせてくれる一冊だった。


