
重力
@DaDa
2026年9月14日
若きウェルテルの悩み
ゲーテ,
酒寄進一
感受性は諸刃の剣。
それは神聖な喜びそのものであり、
彼の胸を押しつぶす暴力。
ウェルテル愛は、女性に向けられている以上に、「狂おしく愛している自分自身の感情」を至高とする。
彼女の夫、アルベルトは実務的で、社会に適応した「成熟した大人」。
ウェルテルは公務員時代でも挫折する。つまり官僚機構(社会)の中でも「個人の内面の豊かさ」を一蹴される。
公的な領域から弾き飛ばされた彼は、この私的な幻想の中にしか自己の存在価値を見出せない。
彼女が唯一の拠り所になる。自分の想像界の彼女。
その唯一の逃げ場である幻想すらも、現実の時間の経過によって破綻をきたし始める。
彼は恋に破れた。
「絶対的な純粋さを保つには、自らを破壊するしかない」
彼は現実と折り合いをつけることができない。
ウェルテルにとっての妥協は「自己の死(精神の敗北)」と同義である。
《銃、死=自分の燃える感受性の純粋性を永久凍結》
最後に彼に付き添ったのは老人と子供たち。

