
白玉庵
@shfttg
2026年9月14日
自然のものはただ育つ
イーユン・リー,
篠森ゆりこ
読み終わった
もし奈落の底が死ぬまでいることになる場所なら、奈落の底が私の住処だ。 p84-85
私の悲哀に終わりはいらない。子どもの死は熱波でも吹雪でもなく、急いで駆け抜けて勝つべき障害物競走でも、治すべき急性や慢性の病気でもない。悲しみとは言葉であり省略化であり、その言葉よりはるかに大きなものの単純化にほかならない。 p87
言葉は思いを言い尽くせるものではないかもしれないけれど、長い影を投じ、その影がときには言葉にならないものにまで届くことがあるのだ。 p163
想像を絶する辛いできごとを受け入れるための思考の記録。同じような悲しい経験をしている人の、支えになるかもしれない。ならないかもしれない。言葉もない、と言うしかないときがある。人は感情は傷つけることができるけれど、思考を傷つけることはできないとあったが、その強靭な思考する力をどうやって手に入れるのか?
翻訳がとても丁寧で思慮深い。ずっと先の読者もこの本のなかにとどまっていられるように、つまづきそうなところに的確な訳註が添えられている。









