橋本吉央 "永遠の記憶" 2026年9月15日

橋本吉央
橋本吉央
@yoshichiha
2026年9月15日
永遠の記憶
永遠の記憶
東野圭吾
普段東野圭吾は読まないが、訃報を聞いて最後の記念に読もうかなと思った。ガリレオシリーズはいくつか読んだことがあるし。 湯川教授は自分にとっては「理系!すごい!」という感じではないというのが正直なところなのと、わかりやすいエンタメ文学なので説明的でちょっと理解が進みすぎるなという感じはあるが、ストーリーはすんなり入ってくるし、登場人物たちの考えや行動も基本的には明快で、読みやすい。 ミステリとしての良し悪しよりも、東野圭吾さんの遺作(かどうかはわからないが)であることに意味があって読んだが、後半で実は『容疑者Xの献身』と繋がっていることが明かされるというプロットは面白い。自分のような、シリーズ全部は読んでないけれども、容疑者Xは読んだ、というようなにわか読者を見透かすような、エンタメ作家としての視野とファンサービスのようなものを感じて、正直さすがだなと思った。 ガリレオシリーズ自体が、登場人物も時代とともに歳をとっていく設定(なのかな、たぶん)であること、最後のエピソードが「終活る(ふりかえる)」なのも、なおいっそう、最後の作品を読むことの意味を多層的にしているように思う。やはり読者を楽しませる作品作りという点で本当にすごい作家だったのだな、と感じた。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved