
余白
@Akane2block
2026年9月10日
ウエハースの椅子
江國香織
読み終わった
共感というか、状況というか…
読んでるだけで泣きたくなるけど、お守りみたいに大切な気もするし、癒される感じもする。そんな小説。
恋人が絶対にこう取り乱したり声を荒げたりしなくて、安定していて、でもその恋人には家庭が他にあるみたいな、ざっくり言うとそんな感じのはなし。
その恋人は主人公が言う、要望だったりわがままだったり、気持ちを全部受け止めて、「君がそうしたいならそうしよう。僕はそれで構わないよ。」と言うけど、一番叶えたいことは叶えてくれない。だから、他のことは叶えてくれるのかなと思うし、そこに自分の責任が伴わないから優しくしてくれるんだろうなと思う。
この本の真ん中ぐらい、125ページ目に昔のお母さんと主人公の対話の描写がある。
お母さんは結婚して自分を産んだわけで。
主人公の心理描写で、「私は母を強いと思う」って言っている。それってお互いに責任がないし、人生の関わり方において一番にしてもらえないという免罪符というか、言い訳というか、一番になれないからこそ自分が一番傷つくこともない。ずっとぬるま湯に居続けることが、母と違って自分が弱いところである、みたいなことだと私は感じた。
ただ、結局主人公は恋人と別れられず、ぬるま湯に戻っていく。絶望と幸福が交互にやってくるんだなぁと。