
みくら
@mikura727
2025年4月7日

能登早春紀行
森崎和江
読み終わった
日本植民地時代の朝鮮に生まれた著者は、いつでも国境、辺境、国家と国家の間ですり潰されてしまう一市民たちに寄り添い、やわらかな筆致で自分の見たままの風景を書き残す。
80年代の石川・能登と北海道・渡島(函館)、二つの半島を己の足で歩き、見聞きしたことを綴る紀行文二つの合本復刊。
特に「津軽海峡を越えて」でアイヌやキリシタンに対して行われた弾圧についての文書が印象に残りました。
森崎和江といえば、「まっくら」や「からゆきさん」とルポルタージュの仕事がまず浮かぶけれど、活動の後半ではルポと言うより紀行文の方が多い。けれどもそれらは今ほとんど絶版扱いになっていて一般書店で手に入れることは難しいのが現状。このほかにもいろいろ手軽に読めるようになればいいなぁと思います。

