
ジクロロ
@jirowcrew
2026年9月15日

安野光雅 自分の眼で見て、考える
安野光雅
読み終わった
戦後すぐのバスは超満員で、ぼくは、ああこの人(朝鮮服を着た老婆)は乗れないなと思った。そうしたら彼女は
「ヒトリ ダマリノミチ ナガイ
フタリ ハナシノミチ ミジカイ」
と言いました。
……
若い自分はバスにぶら下がるようにして乗りました。老婆は乗れなかった。それっきり。
……
おいてきぼりにされる淋しさ、というのがあります。
(『ヒトリ ダマリノミチ ナガイ』)
まるで夢でも見ているような、どこか既視感を感じられるような文章。
そのブレーキ痕は、「おいてきぼり」の場所からずっとその尾を引いている。黒いアドリアネの糸ーーそれを辿っていけば、ひとりぼっちになっている誰かにもう一度出会うことができる。

