北本新聞縦覧所 "太平洋戦争と銀行 なぜ日本は..." 2026年9月15日

太平洋戦争と銀行 なぜ日本は「無謀な戦争」ができたのか
国破れてバランスシートが残った。 この一文を読めただけでも読む価値があった。 無謀な戦争の戦費を調達するために繰り出される金融技術。総力戦とは言葉通りで、金融界ももれなく巻き込まれていたんだな、と気付かされた。 外地の(中央銀行の)銀行員たちが戦禍に巻き込まれる中でも機能維持に努めるさまも丁寧に紹介されており、植民地の中央銀行としての矜持があったんだな、と複雑な気持ちにもなる。 個人的に好きだったのは、終戦間際のエピソード。汪兆銘政権下の中央銀行からの多額の借入を、暴騰した金(ゴールド)で返済し、実質的に帳消しにしてしまった話から、負けてもタダでは転ばない逞しさすら感じる。 太平洋戦争という無謀な国家プロジェクトも、それぞれの持ち場で組織を維持し、生真面目に機能を果たす人間がいたからこそ成り立っていたんだな、との感触を新たにした。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved