ぼぺにゃん "闇の奥" 2026年9月15日

闇の奥
闇の奥
ジョゼフ・コンラッド,
高見浩
読了。 130年くらい前のコンゴの密林世界に連れて行ってもらえる小説。たった100年ちょっと前で、現代とこんなに隔絶した世界だったのかとしみじみ。 クルツの象牙収集のためらしい蛮行の詳細はクルツ自身によっては最後まで語られない。なので読みながら彼の恐ろしい所業もろもろを想像してしまう。象牙収集に関わる白人たちによる賛辞や噂、道中に見る黒人たちの悲惨な労働と死、クルツの信奉者であるロシア青年の狂ったような賛辞、クルツの住居の杭に載せられたたくさんの黒人の頭部などのエピソードから。 最初は蛮人に文明や科学を伝え人間らしい幸せを与えたいと、当時の進歩派らしく考えていた彼が、どのように残忍な狂人になり、自分を蛮人たちの神とみなして、最後には野蛮人は皆殺しにしろとまで言うようになったのか。彼の死に際のことば「地獄だ!」は、自分の蛮行を悔いてなのか。 もう一度読まないと読み解けそうにないな。 コンゴの密林の描写が好き。その暗さ、無限の奥深さ、文明とのかけ離れ具合。味わい深い。マーロウが殺された黒人操舵手を悼んで、一人で水葬するエピソードも好き。白人が蛮人の死など何とも思わない時代に、自分と操舵手のあいだには数カ月の労働を通して絆が生まれていたんだと、操舵手の死の瞬間に悟るのがぐっときた
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