
スカイ
@skygrey
2026年9月15日
白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記
小野不由美
〈追加の感想〉
十二国記って、民が記号的でないのも魅力の一つだと思う。集団ではなく個々が見えてくる。
政治家側が主人公である場合、民ってともすると愚鈍愚昧に描かれがち。そして、政治に無関心だったり、お上には逆らわないだったり、と集団心理だけが取り上げられていて、個々の感情が見えてこないことが多い。
でも十二国記ではみな自分の人生を生きている感じが伝わってくる。なぜそのように行動するのかの背景が描かれているし、それぞれの背景が違うから民とひとくちに言っても意見が必ずしも合わない感じがいい。『丕緒の鳥』短編では特にそう感じた。
朽桟、酆都、去思、葆葉、園糸と栗…立場が違うから優先順位や思想など違う部分もあることがしっかり伝わってくる。
民にもそれぞれの人生がある、で心に残っているのは『万里』の終盤で、寡黙な亭主が反乱に参加表明する場面。

