
Lusna
@Estrella
2025年4月7日

心はどこへ消えた? (文春文庫)
東畑開人
読み終わった
「物語は傷つきを核として生まれてくる。日々のカウンセリングもそうだ。クライエントが語るのは物語未満のお話だ。それはまだ生傷であり、痛みがあるから、物語にはなっていない。核だけが剥き出しになって、きれぎれの話が散乱している。だけど、それを何度も何度も語りなおす。一つの出来事を、違った角度から、違った文脈で。すると、きれぎれの話が少しずつつながっていく。物語になっていく。そのとき、生傷はかさぶたになり、薄い皮膚に覆われるようになる。物語るとは、傷を柔らかい皮膚で包み込んでいく営みだ。だから、物語とは本質的に傷跡なのである。」






