仲嶺真
@nihsenimakan
2026年9月17日
内在的多様性批判
久保明教
読み終わった
このように、単一の枠組によって多様性を把握しようとする試みは、恣意的な基準を他者に押しつけているのではないかという疑念と、単一の枠組がなければ一貫した理解ができなくなるのではないかという危惧のあいだを行き来することになる。「みんなちがって、みんないい」という発想を学問的に追求すると、基準の恣意性への疑いと首尾一貫した体系的な説明の必要性のあいだの矛盾が強まっていく。本書で中心的に検討されるのは、こうした矛盾が頂点に達し、人類学が近代西洋の視点から異文化を表する学問であることへの自己批判が突き詰められた一九八〇年代の「ポストモダン人類学」から、その限界を乗り越えるものとして今世紀初頭に登場した「存在論的転回」にいたるまでの人類学的思考の軌跡である。p.11

