
Sanae
@sanaemizushima
2026年9月17日

ゆっくり歩く
小川公代
読み終わった
著者である小川公代さんの本は何冊か読んでいて、オンラインなどで対談や講演もいくつか見ている。著者から教えてもらったことはたくさんある。
ケアについて、ネガティヴケイパビリティ、キャロル・ギリガンの「もうひとつの声で」などなど。
今まで著者を通じて知っていた内容も多かったので、私には入ってきやすかったのもあるが、お母さまの介護や今までの経験を通じての語りなので読みやすくて、面白かった。
仕事に突っ走ってきた著者が介護をする苦悩や理解を文学者らしく、文学から考えていく。
今までの本では引用があって、解釈と続くが、お母さまとの会話調で書かれているので、一緒に話を聞いている気分。
著者の視点や解釈は私はハッとすることが多くて好きなのだが、お母さまの反応もこの本では書かれていて、それも親子っていいな〜と思うものがある。闘病、介護って大変という面をプラスに変えていこうとする関係性があって、むしろ本の中では多幸感に溢れている。
ぎゅうぎゅうの満員電車でお母さまを守った著者から出たのは「日本社会ではどれほど自助思想に晒されているかをあらためて考えさせられた。」(p166)とあった。強者にはわからないことだし、立ち止まれないと気付けない。
お母さまも著者もご病気をされて保守的になっているのではなく、チャレンジする姿勢があり、それも素敵で、オープンダイヤローグという、当事者、医療者と介護者が輪になって対話をするトリートメント(治療)があることもこの本で知った。興味深い。
常識を疑え、人を信じる、などのエピソードもあり介護やケアにかかわる人以外でも読んで元気がもらえる本だと思う。









