
utautomo
@timeescape
2026年9月17日
女の子たち風船爆弾をつくる
小林エリカ
読み終わった
図書館で借りた
あらすじは知っていたけれど、思っていた以上に胸に迫るものがあった。
戦争のまえの生活で当たり前だったことが、少しずつ当たり前ではなくなってゆく。
着たかった制服は着られなくなり、代わりにもんぺやズボンを履かなければならない。お風呂にも入れない。月経を古布で止めなければならない。もちろん、食べるものもなくなっていく。
そして、少女たちが憧れていた宝塚の華やかな舞台も、戦争によってその姿を変えてしまう。東京宝塚劇場は風船爆弾の製造工場となり、かつて夢や憧れの場所だったところで、少女たちは兵器をつくることになる。その落差がとても印象に残った。
少しずつ、でも確実に迫ってくるものを、少女たちは自分たちの力では止めることができない。
何も知らされないまま戦争に加担させられていた少女たち。渦中にいるときには知り得なかったことを、何年も何年も経ってから知ったという、その怒りと悲しみを思う。
でもなにより、この本を読み、その時間の延長で今があるということを思い知った。
遠い昔のことのように思ってしまっていたけれど、決して途切れてはいない。あの時間は地続きで、今につながっているのだと、痛いほどに思った。
小林エリカさんの著書を読むのは初めてだったけれど、これほど骨太な作家さんだとは知らなかった。
聞き取りや参考文献の量も半端なく、これほどまでに真剣にこの作品をつくり上げたのだと思うと、ただただ圧倒され、感動した。
今年読んだ本の中でも、間違いなく心に残る一冊になった。
多くの人に読んでほしい本だと思う。









