女の子たち風船爆弾をつくる

70件の記録
- はぐらうり@hagurauri-books2025年8月25日読み終わったこれは、わたしたちの「史実」。物語ではない。 毎日出版文化賞受賞。野間文芸新人賞候補。アジア太平洋戦争当時、少女だった方々を東京宝塚劇場を中心に描いていく。市井の、知らなかったエピソードが山ほど出てきて驚く。参考部も山ほどあるが、これまで語られなかった話も多く収録してされている。 同じ文章が何度も何度も出てくる。どこの時代のことを読んでいるのかわからなくなってくる。これは戦時中に同じことを繰り返していることの表れでもあるし、同じ苦しみを味わう少女たちがずっといたことの表れでもあるし、それでも同じように季節は移ろうことの表れでもある、と思った。 時系列で話は進むものの、構成力と取材力は凄まじいものがあった。夏の間に読めて良かった。
- 旅するやまねこ舎@t_yamanekosha2025年8月23日買った読み終わった散文詩のような文体。聞き取りや史料の量に圧倒される。良妻賢母を目指す女学生たちの動員先では何が行われていたのか。本書で初めて明らかになったのでは⁉️ ゆっくり読みます。
- ゆい奈@tu1_book2025年8月22日読み終わった春が来る。桜の花が咲いて散る。 戦果を上げたと喜び、わたしたちのものとされる領土は拡大していき、そこでは女が子供が犯され、男は殺されていった。次第に、無数のわたしと、わたしたちの背後にも戦争の影は近づき、ある日、学徒動員で招集される。 極秘で開発された風船爆弾「ふ号」は、太平洋上約8000kmを飛ばして横断させ、アメリカ本土への直接攻撃を狙った殺人兵器だった。風船の素材はゴムにかわる、和紙とコンニャク糊。手先の柔らかい若い女学生が和紙の貼り合わせに適している、ということにより、少女たちが選ばれた。飲んだり食べたりもせず、15時間ぶっ続けでの労働、睡眠時間は3、4時間、手はたらこのように腫れ、そして白い二粒の錠剤(おそらく覚醒剤)を飲まされていた。彼女たちが、じぶんたちがなにを作っていたのか、それで人が死んだということを知るのは終戦後40年の時が経ってからのこと。戦争に加担していたという真実を知ったのは56歳、あるいは57歳のときであった。 春が来る。桜の花が咲いて散る。 無数のわたしと、わたしたちから、語られたあの日々の真実。 戦争というのは容赦がない。そのときがくれば、たとえ子供でも否応なく巻き込まれていく。加害者にも、被害者にもなりうる。だから、こんなことは、二度と起こしてはならないのだと、戦争反対と大きな声でいえる今をつづけられるように、何度も何度も訴え続ける。人が人を殺して、なにになるというのか。今もなお、世界では、人が人を殺している、人を人として見ていない人たちがいる。絶望してもなにもはじまらない。だけど絶望してしまう。世界中から戦争がなくなりますようにと願うことしかできない。あまりにも無力。
- 薫風堂@viola_6666662025年8月18日読み終わった風船爆弾をめぐる女の子たちの物語。満洲事変あたりの戦中から戦後、そして現在まで続く無名の多くの「女の子」たちの日常が、少しずつ戦争にそまっていく。女の子たちの「名前」は記されず、みんな「わたし」。詩のような文体とあいまって感じた違和感が、ずっと残った。
- ゆい奈@tu1_book2025年8月16日読んでる無数のわたしの、素朴さ、淡々とした言葉たちに胸をえぐられる。加害をした側であることを絶対に忘れてはならない。そして膨大な資料に基づいて書かれたことがありありとわかり、読みながら、背筋がのびていく。すごい本。
- えつこま@e2coma2025年8月15日読み終わったたまたま終戦記念日に読み終わる。すごい力作。今日は「火垂るの墓」の放送もあるけど、映像作品だと戦争被害の話に偏りがち?この本は女性目線でハッキリと加害について描かれており、さらに独特の文体で文学的な挑戦もしていてすごいと思った。
- ひな@mikan1172025年8月14日読みたい昨日この記事が無料プレゼントされていて、読んで衝撃を受けた↓ 読まなきゃと思った。 “戦後80年。それでも、想像しようとし続ける 作家・小林エリカ” https://www.asahi.com/articles/AST8521F1T85ULLI009M.html
- ゆい奈@tu1_book2025年8月13日読み始めた文藝の対談がとてもよかったので、いそいそと本棚からとりだしてきた。わたしが読みたいものがなんでも揃っている私の本棚が世界でいちばんの本棚だとおもうなど。数ページ読んで、ぱたりと閉じる。こころして読まなければ。丁寧にいこう。
- mkt@mkthnsk2025年7月4日買った気になりつつもまだ手に取ってなかった本を講演会のタイミングで購入。 見えなくされてたもの、なかったことにされてたこと、ささやかな抵抗を引き継いでいくこと。 アメリカが発見された時、そこに元々あった人や文化をなかったことにしてそこを新世界と呼んだというお話があって、それは今イスラエルがやってることと同じだと思った。今は見えてるけど。見えてるのに。
- orange.m@orange102025年5月11日読み終わった膨大な文献を織り交ぜた作品で圧倒された。淡々とした筆致が、逆に残酷さや深い悲しみを際立たせる。茨木のり子の「わたしが一番きれいだったとき」を思い出した。つらいけれど、読んでほんとに良かった。
- chekosan@nobuko2025年3月30日読み終わったこれはすごい。リサーチも素晴らしいし、構成、表現も。 文体に馴染めなくて2度ほど読みかけてはやめてたけど、3度目の正直で引き込まれた。 いろんなところで薦めよう。