鱗拾い
@urokohiroi
2026年9月17日

読み終わった
再読了
読了!
上下巻に分かれてないぶん群を抜いて分厚くてびびったけど、黄海に入ってからは300ページがあっという間だった〜!
珠晶はああ言うけれども(最後のセリフの話)、
頑丘を雇って旅をして、采配を振ったり、陽子や尚隆の巻でも書かれてた「上の選択で下に犠牲が出る」を間近で経験したりして沢山考えたことが、良い王になれることに繋がると思う。
だから(それまでの一月半、十二年、二十七年で失われてしまった命は戻らないけど)それも含めてあの世界の天意ってやつなのかなぁと思ったけど……
もしくは、泉のほとりでようやくぶちまけた本音が“祈り”であり“王気”だったのかも?
読み始めたときのReadsで珠晶について「家の外のことをよく見てる」と書いたけれども、外だけじゃなく家の中でもそこにある社会の縮図をちゃんと見て感じていたんだね。
「世界の理屈」の話。
この世界で王の命は幾百万の民の命だから、数百の民の命よりも重い。
でも、当の王だけは「それでいい」と思っていてはいけない。
ということで合ってるかな。
自分が一つ賢くなったときに「あたしってばかだったわ」とすっぱり言うのは読んでいて気持ちがいい。
『風の万里〜』で楽俊が祥瓊に言ってたこととも通じるなと思った。
その反面、相手がその時々の自分の思考に及ばないとすぐ「ばかね」って言うきらいがあるから思い切ったキャラだなぁとも思う、でも珠晶はそういうところも含めて神籍入ってるからもうあれでいいんだろうな〜……。
『風の万里〜』との対比でいうと、鈴と清秀との関係で描かれた「相手を無理やり恵まれているということにしてまで自分を哀れんでしまう問題」から一歩進んで、
ある評価軸において誰かが“本当に”人より恵まれていたとしても、「恵まれた人にはわからない」と拒絶してしまうのは考えものだなぁ、という話になっていると思った。
そう言いたくなるのはわかってる、でもまた癇癪を起こしたくなるから言わないで、と言えるだけ珠晶は大人だ。
生まれを変えられないのは海客も貧しい家の子も金持ちの家の子も同じなんだよね……。
名付けのところは覚えてなくて、そう言われたらそれっぽい匂わせはあったなー!と天を仰いだ。
年代的にもそうだしずっとどこかで聞いたようなスピリットだったじゃん……。
読者の知っている見た目の特徴をただ書かないんじゃなくて、その直前までは珠晶たちにも見えてないようにしてるのも細かい。
旅の終わりのシーンはわかってても鳥肌。
昇山の動機の掘り下げをその直前まで引っ張ってるのも憎い。
「あたしが生まれたときに」って言ったって、供麒も六歳かそこらから昇山の者たちを見てて十四歳ぐらいまでは本当にただ待つしかなかったわけで、もしかしてそれで泰麒みたいに自信なくした時期があったから気弱な感じなのかな?などと妄想してみたり。
最後の四人(三人半?)は、そういう形もありうるのがこの世界って面白い!となった。
この例を知ってると公主時代の祥瓊への見方もより厳しくなりそう。
(2026/09/17 16:53 追記:待って、今作いちばんホラーだった「意味を理解せずに形だけ真似する人妖」とかいう存在、室季和を皮肉ってますか?)
