
紅梅シュプレヒコール
@bear-jew
2026年9月19日
自殺について 他四篇
ショーペンハウアー,
藤野寛
読み終わった
光文社から出版されている古典新訳シリーズの『幸福について』『読書について』が面白かったので、こちらにも手を出してみましたが、なかなか分からんくて苦戦。
古典新訳シリーズの読みやすさを痛感しました。
わりと悲観主義者なショーペンハウアーですが、なんだかんだで人間を嫌いになりきれていない感じが個人的に好きです。
彼の哲学と実人生の間に矛盾があるためか、「先生」というよりは「近所の爺さん」くらいの感覚で接することができるのは彼のチャームポイントですね。
以下本書から気になった箇所を抜粋。
「死にゆくものは没落してゆく。けれども、萌芽は残るのであり、そこから新たな存在が現れ出、その新たなる存在は、今や、自分はどこからやって来たのか、何ゆえに自分は現にあるような存在なのかを知ることもなく、現に存在することになるのだ。」p28
「人間世界の全体を一望のもとに要約しようと試みるなら、至るところで目にとまるのは、休みのない闘いであり、脅威となって瞬間ごとに出くわすありとあらゆる種類の危険と災いに向き合って身体と精神のすべての力を傾けて生命と存在を維持しようとする精一杯の奮闘である。」p51
「意志は弦であり、意志を妨害あるいは抑止することは弦の振動であり、認識は共鳴盤であり、そして苦痛が音である。」p76
「人生において位置と方角を確かめるために頼りになる磁石を常時携えているためには、そして、人生をついぞ誤りなく、正しい光の下に眺めようとするならば、世界を一つの償いの場所と見なす習慣を身につけること以上に有益なことはない。つまり、いうなれば監獄、刑務所と見なすのだ。」p.85
「幸せな人生など不可能である。人間がせいぜい到達しうる最高の幸福は英雄的な人生行路だ。」p126
