
ひとみん
@hitomin104
2026年9月18日
化け者心中
蝉谷めぐ実
読み終わった
余すことなく面白かった!
役者を食べて成り代わった鬼を探す過程で役者たちの本性が暴かれて、美しい人々の嫉妬や欲望が剥き出しにされていく。
それらを発端とする悪行を許せないと思いつつも、主人公の藤九郎は
「その欲望だとか嫉妬だとかが、なぜだか俺の心の深いところにずんと刺さる。その黒い心玉は醜いのに俺は一寸の間だけ、その人をぎゅうと抱きしめてやりたくなるんです。そんなこと思っちまう俺も、鬼なんでしょうか」
と。こう思ってしまう彼の柔らかい部分がいいよね。好き。
人の本性が鬼だなんだという結末では決してなく、ちゃんと本物の鬼はいて美しくタイトル回収されました。
藤九郎と魚様の奇妙なコンビもいい味出しながら良い結末を迎えたし、小物もエピソードも全て活かされて文句なしに面白かった。
久しぶりに全部好き!と思えた作品でした。
