
Kaori
@Kaori_behappy
2026年9月19日
クララとお日さま
カズオ・イシグロ,
土屋政雄
読み終わった
半分くらいで読むのが止まっていて、ひと月ぶりに再開したらやめられなくなってどんどん先を読みたくなり、昨日は帰宅してずっと読み、今朝は起きてパジャマのままひたすら読んだ。読了。
もし前半で脱落した人がいたとしたら、最後まで読むことをおすすめします。
最後の第六章が泣けて泣けて、勝手に涙がこぼれ落ちてきた。
クララはなにも変わらない。
ずっとずっとジョジーの幸せのためにいる。そのためにそこにいる。
だんだんと、ジョジーやその家族がクララから離れていく描写や、家には居場所がなくなって屋根裏部屋のような場所で時間を過ごすようになったこと。
最後は廃品置き場に置かれていること。
そんな中でもずっとクララは変わらない。
その状況をどうとか思うことはなくて、自分の役割を全うしてジョジーが回復して元気に過ごしている、そのことで充分なのか。
見返りとかそういう概念はないんだろうと思う。尊厳を傷つけられるとか、そういう気持ちもないんだろうと思う。
もう充分に大切にしてもらって、自分は役割を全うして、それでいいと感じているのかもしれない。
それでもやるせないし胸が痛いし涙が出る。
お日さまの力を純粋に信じているクララを、途中までは「お日さまの力はクララの勘違いで、思い込みでは?」とわたしは思っていたのに、ほんとうに最後には奇跡のようなことが起きて、これが「祈り」ってことなのかなと思った。
よくわからないながらもクララを信じて協力するリックやジョジーの父親。
果たしてそういうことが自分だったらできるだろうか。
ほんとうにほんとうに誰かを救いたいと強く思ったとき、わたしはどう祈るだろう。わたしはなにをするだろうか。
****
気になった場面と文章をいくつかメモ。
1
クララがジョジーの母親に抱きしめられたときに、母親の温かさのようなものを感じる場面。
そしてそのだいぶ後で、もうクララの役目が終わる頃に少し肩が触れただけだけど、その感覚を思い出すところ。
AFにとっての家族とは。人の愛とか温かさとは。
2
「特別ななにかはジョジーの中ではなく、ジョジーを愛する人々の中にありました」
そうだよ、そのとおりだよと思う。
うまくこの感覚を言葉にして今は説明ができないけど。
3
ジョジーとリックが大人になって、それぞれ別な道をいくことになったとき、お日さまへ伝えたこの二人の愛が本物だという話が嘘になってしまうのではと心配したクララに対して、リックがその気持ちはあのときの真実だったと話したところ。
そのときの気持ちは真実で、いまは一緒の道を歩んでいなくても、あのときお互いにもっていた想いや感情に嘘はなく、そのときの想いは人の奥の奥の方に変わらず残っていて、見えない何かのチカラになったりするのかもしれないなとおもった。

