
とよんちこ
@toyochin
2026年9月19日
桐島、部活やめるってよ
朝井リョウ
読み終わった
ネタバレあり
タイトルになっている桐島が出てこない、という一発ネタで有名だが、読んだことない人も多いのではないか。
天下の朝井リョウのデビュー作ということもあり、最近の作品と比べて荒削りな点が目立つ。良かった点より良くない点の方が目立ってしまうが、コンセプトはとても良かった分惜しく感じる。
・映画ではどうなったか知らないが、桐島は回想シーンでも出番はなかった方がよかったのではないか。回想シーンで僅かに桐島の登場シーンがあるため、ほとんど登場しないミステリアスな存在が一気に薄れてしまった。人となりはもっとぼかした方が、読後も桐島は結局どんな人だったのだろう?という印象を残し続けられると思う。
・桐島が想像以上に僅かにしか影響しない。群像劇となり、視点も5人ほどあるが、ほんの僅かにすら桐島と関係がない話もあった。桐島が部活を辞めたことがそれぞれの登場人物にバタフライエフェクトのように影響を及ぼす物語だと思っていたが、まるで影響がない人物を主役にしたターンもあったため、コンセプトがぶれてしまっているように感じた。
・結局最後まで何を伝えたいのか分からない。複数人の視点から描いている割に、それぞれの物語がそれぞれで完結するため、話の繋がりがほとんどない。それでいて終わり方も様々なため、最終的にテーマとして何を伝えたいのかまるで分からなかった。
タイトルから想像していた、桐島が部活を辞めるという事実が視点の異なる5人の主役それぞれの話に大きな影響があり、最終的にそれぞれの話が1箇所に帰結する、という話ではなかったことが残念。あと桐島が登場しすぎて、ミステリアスな人物像が全くなかったことも残念。タイトルとコンセプトが強烈なフックになっていた分、ただの青春オムニバスな内容とギャップがあった。