のぼりおり "プロジェクト・ヘイル・メアリ..." 2026年9月19日

プロジェクト・ヘイル・メアリー 下
プロジェクト・ヘイル・メアリー 下
アンディ・ウィアー,
小野田和子
未知の領域や予期せぬ出来事に科学的知識で挑むSFとしての面白さ、片方のピンチをもう片方が救い、またあるときはもう片方の危機に片方が手を差し伸べるというバディものの楽しさを両立させ、とにかく続きが気になり続けた下巻。「え、まさかロッキー、そんな...」とか「そっか、グレースならそういう選択をするよなぁ」などと感情移入しながら一難去ってまた一難的展開を並走するような読書体験だった。 人間臭いけどへこたれないグレースと、読み進めれば読み進めるほど愛おしくなるようなロッキーのキャラクター造形がとにかく魅力的で、互いがたまに毒づいたりと2人のテンポ良い会話自体が楽しい。困難を乗り越えるごとに互いの信頼が増していくさまもまたよい。 物語の終わりも見えてきたか、といったところでもう一展開あったときは唸った。SFとバディものを両立させる作品として、なるほどそういう落としどころかといった感じ。あとラストもグレースらしさというか、過去パートでみえたグレースの子どもたちに対する想いを変奏させて示しつつ幕を閉じたのは上手いなぁと。 話題性も前評判も凄い作品ではあったので読む前は期待7割不安3割といったところだったが、期待を十分に超える傑作だった。
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