tsubaki_fuyunohana "白魔の檻" 2026年9月19日

白魔の檻
白魔の檻
山口未桜
手に汗握るクライム&サスペンスで、一気読み。悲しすぎる真相と、地域医療を巡る医療従事者の血を吐くような告発(それを告発と受け取るかどうかは読み手次第だが、私は告発と受け止めたい)に胸が引き絞られるようだ。そしてそこに、一人一人の人生の光が差し込むのも、この作者ならではの技だと思う。 例えば後半、クライマックスのきっかけになるとある人物の情報開示があるが、そこで思わず落涙。嘘っぽさ、わざとらしさがない。セリフの中に流れるその人の人生と血を感じる。 ラストの『犯人』の激白も、胸が痛かった。家だったらもっと泣いていたかもしれない…… ミステリも素晴らしいんだけど(かけがえのないものがかかっているからこそ、ミステリという物語形式が選ばれているんだと思うけれども)、山口先生には違う物語形式も描いていただきたいな。 次の作品も本当に楽しみです。
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