
有希
@madoromi_y
2026年9月20日
優しい地獄
イリナ・グリゴレ
読み終わった
☆☆☆☆
過去の記憶とフェミニズムとチェルノブイリ。百年の孤独のようでもあり、クラリッセ・リスペクトルの水の流れっぽい感じもある。回想録。生きることと死ぬことと食べることの神秘性
『もう一度いうが、社会主義とは、宗教とアートと尊厳を社会から抜きとったとき、人間の身体がどうやって生きていくのか、という実験だったとしか思えない。あの中で生まれた、私みたいなただの子供の身体が何を感じながら育っていったのか。それは、言葉と身体の感覚を失う毎日だった。高校生になったある日、急に話せなくなったことがあった。一生をかけてその言葉と身体を取り戻すことがこれからの私の目標だ。』
『彼の母親は私のせいだと言った。私から腫瘍が彼にうつったと酷く差別された。それがほんとうなら、私はそこまで彼に愛されたことになる。身体の細胞が交換されるぐらいの愛があるのか。でも違う。酷く傷んでいる二人の身体は、私たちがチェルノブイリの子供だったからだ。』
