読む蔵 "正欲" 2026年9月21日

読む蔵
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@mah1_k
2026年9月21日
正欲
正欲
朝井リョウ
ちょうどメゾピアノとしぐれうい問題でインターネットが荒れており、生々しい言葉をたくさん見ながら読み切ったので、なんとも言えない気持ち。 序盤はなんだこれ…と引きながら読んだものの、構造が美しく途中からぐんぐん読めた。不安だから他者を向こう岸に追いやりたい、正しい世界を作りたい…。解説にあった通り、醜さで恥ずかしくなってしまう。 わたしは命を循環させられない永久未婚だが、都会で育ったことも含めて、どちらかといえばずっと楽にマジョリティを生きてきた異性愛者で、異性愛の世界からもなんとなくフェードアウトしただけだから、何がそんなに不安なのかと本気で思ってるし、夏月や大也からいちばん嫌われるタイプだと思う。登場人物の気持ちがわかるなんて絶対に言えない。 とはいえ、自分の特殊性癖や性欲を同人誌にして他人に渡してるわたしも、世間から見れば十分に異常者だ。動画リクエストの話を読みながら自給自足しな!と強く思ったので、佳道らが自分で動画を撮り始めたことはとても応援したいと思った。 岡山時代の夏月が全然好きになれなかったけど、彼女が佳道と「つながりたい」という感情にたどり着いたこともすごくよかった。 対話を諦めない八重子が誰よりえらい。大也の逮捕後もそうであってほしいのだが、大也が大学辞めて自然と消えてしまいそうで悲しい。どうなるんだろうなぁ。 水に興奮するという(ペドフィリアよりも少数派の)特殊性癖を持つ人間の話だから、逆に広く読者のほうを向くことができる・意味があるというのはわかるんだけど…、ストレートに小児性愛者たちの話ではだめだったのか?と思った。結局、小児性愛者の存在をエンタメのフックとして便利に使ってないか? 職場の50代の方からもらって読んだのだが、「おもしろくなかった」と言っていて、読む年代は選ぶだろうなと思った。
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