猪 "門 (新潮文庫)" 2026年9月20日

猪
@ibu4_618
2026年9月20日
門 (新潮文庫)
門 (新潮文庫)
夏目漱石
暗い中年の生活を描いた作品だった。 社会的に許されない罪を背負った男が、妻と二人、社会から隔絶し、まるで一つの塊として結合するように共依存しながら毎日を送る。そんな中で主人公・宗助は自らが妻を奪った大学時代の親友、安井が近くにいることを知り、突然鎌倉に参禅する。 しかし一週間ほど参禅しても悩みが解決することも悟りを開くこともなく、結局何も起きないまま普段の生活に戻り、また妻との暮らしを再開するところで終わる。 後半の参禅の場面において、この主人公の中途半端さ、小物さが自分と重なる部分があって、シンパシーを感じた。 何事も起こらず、何も解決せず、また薄暗い日常を送り続けるというこの結末は、終わりのない中年の地獄を暗示しているようでとても身につまされる。 夏目漱石が中年を描くとこうなるのだと思うと、それはとても興味深かった。久々に日本の文豪の純文学を読んだなと感じた。
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