
食いしん坊ちぇりぃ
@yummyyummycherry
2026年9月21日
異形のヒグマ OSO18を創り出したもの
山森英輔,
有元優喜
読み終わった
牧場で牛を次々と襲い、北海道庁が捕獲対応推進本部を立ち上げ、特定個体にコードネームを付与するまでの存在になったヒグマ・OSO18。被害と捕獲の試み、失敗、そして呆気ない最期までをNHKディレクターが追ったドキュメンタリー。
ディレクターがカメラにおさめたかった画、そして私も読み進める中で期待していたのは、現役最強のヒグマハンターが華麗なチームプレイで巻き狩りをしてOSO18を仕留めるクライマックス。でも現実はそんな期待通りには行かず。
OSO18は最後、本来手順には沿わない捕獲プロセスで仕留められ、情報が共有されないまま解体され、捕獲が公知の事実となったのはその死から3週間も経ってからだった。解体された肉は東京のレストランで提供されてジビエ愛好家たちに食べられていたという。
でも、そこで終わらない、この本の山場はOSO18に魅了されてその謎を解き明かしたい熱意を持った著者たちが、堆肥場にあるエゾシカの骨と皮の山からOSO18の骨を自力で探し出したシーン。小学校の体育館サイズに押し込められ3mほどに高く積まれた腐った死骸の山をひたすら選り分けて見つけ出す。北海道総研も諦めたこの作業をディレクターが執念で完遂したことで、研究者による分析が可能になり、OSO18の著しく肉食に傾いた特異な食性が明らかになった。食性のせいで年齢の割に身体が弱り、縄張り争いに負けてハンターたちの想定外のエリアまで移動、牧草地をヨロヨロしていたところで駆除されたとみられる、ということみたい。
美味しいものに執着して若い頃から暴飲暴食を繰り返し、消化機能が衰えてきたのを感じている私としては、OSO18に自分を見た気がする。読み終わってすぐ本の内容とともに、そう家族に熱弁したら今家でOSOって呼ばれてる。。。



