ガネ
@ganeshiro
2026年9月21日
いい子のあくび
高瀬隼子
読み終わった
図書館本
やばいね、高瀬さん、好きすぎるよ…。このなんともいえない感覚、もう凄みがすごいよ。おいしいごはんが好きだから期待して読んだけど期待通り、何度もウヘーーってなりながら読んだ。みんなこんなにつらいのかい?生きることとは社会とは。張り詰めてでも自分でも無意識に、そうして作られる現実とその内側で起こっていること、もうこんなん見せられたら鈍感なウチは何を持って信用できるのかわからないけれど、分かり合えないことがわかる物語だなと思った。わかったつもりにならないことが大事だなと。
p66 心は、どうしてこんなにばらばらなんだろう。ばらばらで、全部が全部本当であるために、引き裂かれるというよりは、元々ばらばらだったものを集めてきて、心のかたちに並べたみたいだった。
p81 にぶさと優しさはすこしだけ似ている。ばかが卑怯になれないのと同じ感度で。
p133 わたしが悪かったって認めたら、それは、わたしが割に合わないことを受け入れて生きていかなきゃいけないってことになる。顔をあげて前を向いて歩いている人ばかりが、先に気付く人ばかりが、人のぶんまでよけてあげ続けなきゃいけないってことになる。
解説p194 「おれ、ぶつかられたことないよ」と疑わしげに言ってのける大地の鈍感さ-限られた視野から発せられる正しさは、透明化された痛みを抱える人びとを追い込んでしまう。直子は大地と一緒にいると、自分の抱える屈託や煩悶が否定されているような気がしてじわじわと蝕まれていくのだ。


